2022.07.19
個人的考察【工務店】
設計士による個人的考察。
工務店さんです。メリットデメリットを簡単に挙げていこうかと。
※個人の勝手な見解です。
〇メリット
・昔からやってきているという一定の安心感
・大工が経営しているというところが多い
そのため、大工自体の技術力は高いことが多い
・細かいオーダーへの対応が可能なことも有り
(造作家具作ったりとか)
●デメリット
・設計力に乏しい可能性が高い
社内に設計担当がいない場合も多く、その場合、確認申請等を外注で設計事務所に依頼を掛けることになる。おそらく詳細図的なものは作成せず、現場で判断したり、いつも通りの納まりで施工する、というケースが多いのでは。
・「性能」について弱いところが多い
耐震性能、断熱性能など。
特に古い考え方が残りやすいので、その場合、
断熱性能にまったく興味なかったりする
◇総括
上記は一般的な工務店全体に対しての考えです。
「設い」はさておき、「性能」についてはかなり強化している工務店さんは実際はかなりいます。「耐震等級3」が標準だったり、断熱性能なんかも、やりすぎじゃないの?ってくらいの性能でやっている工務店さんがいることも事実です。
また、俗にいう「スーパー工務店」と呼ばれる工務店も存在します。鹿児島のベガハウスさんとかがそれにあたると思いますが、もう設計力も設計事務所同等品みたいな感じです。(デザイン的に突出しているとかそういう設計ではありませんが)
しかしながらこのへんをお施主さんが自分で判断するのは難しいかもしれません。「目が肥えている」方なら、施工例などを見てすぐにわかるとは思いますが。
傾向としては、設計力にコストを掛けられる会社が少ないため、性能側でアピールするところが増えてきている、という形が最近の工務店のイメージです。「デザイン」「設い」というところは数値で出ませんが、「性能」は数値で出るため対応はしやすい。(簡単ではありませんが)
つまるところ、ハウスメーカーみたいな画一的な建物はいやだけど、別にデザインにそこまでこだわっているわけではない、現場の技術力や地域の信頼度などで工務店を選択する、というのは有り。という感じ。
しかしながら、工務店によってまったく技術力に違いがあるので、安易に信用するのも危険です。
個人的にはハウスメーカーに負けずに工務店が頑張って欲しい。
工務店やっていた大工さんが、仕事がなくなってハウスメーカーの下請けという沼にはまる、ということも多いですしね。。
よく、「工務店だとコストが安い」ということを目にしますが、必ずしもそうではないと思います。やはりそれなりの技術には見合った技術量を支払うべきで、あまりにも安い労務で完成した物件は個人的には心配です。誇りをもって適正な価格で施工し、ハウスメーカーにはない技術力できれいな仕上がりを実現する、というのが本来あるべき姿だろうと思っています。
本当にコストだけを重視して家を建てるなら、ローコストハウスメーカーの門を叩いた方がよっぽどいいでしょう。