2024.02.06
PH5
言わずと知れた名作照明。
ルイスポールセンのPH5。
デンマークのポール・ヘニングセン(1894-1967)が1958年に開発した照明器具です。
ポール・ヘニングセンは生涯にわたって建築家としても活躍していて、「労働者に十分な生活環境を整える良質な住宅デザイン」を追求してもいました。
誕生から66年経った今もなお、時代の移り変わりに左右されずに長く愛されて使われている名作照明です。
- ルイスポールセンとは
ルイスポールセン自体は設立は1874年。デンマークデザインの伝統ブランドです。
ただ、なんと最初はワインの輸入業者だったとか。。
電気用品の販売事業をしたりもして、3代目社長の時に、1924年から始まったポール・ヘニングセンとの協働から照明メーカーになったらしい。。なんとまあ。
「目的は、科学的に作業することでよりクリーンで経済的かつ美しい照明を実現することです。」
-デンマークの新聞 ポリティケンより
だそうです。すげえ。
それはさておき、ルイスポールセンは建築家やデザイナーと組んで様々な照明を生み出しているわけですね。
その中で、ポール・ヘニングセンが開発したものの一つが、PH5。
・P:ポール
・H:ヘニングセン
・5:メインシェード50cm
でPH5。非常にシンプルです。変に着飾ってなくて好感。
ここで余談ですが、北欧の照明になぜ名作が多いのか、
それは、北欧が「長く厳しい冬」そして「白夜」を抱えているから。ですね。
そのため、冬は屋外に出られない期間が長かったり、はたまた「白夜」によって常に光が差す中での生活をしなければならない。
そのため家の中での過ごし方に、より豊かなものを求めていったのでしょう。
そりゃいい照明を求めますよ。こうこうと照明をつけまくってひたすら明るくしてきた日本とは大違いです。
- PH5のいいところ
小難しいことはさておき、よくダイニング照明にこのPH5を採用するわけですが、なぜ採用するのか。
普遍的なデザインで空間になじむ、ということもありますが、一番はその照明としての高性能さにあります。
・グレアフリーの構造 ⇒ 光がまぶしくない
・下方への必要な明るさの確保のため、37度の入射角、出射角による光の拡散
などなど。。すごいんですよ。突き詰め方が。。
空間も邪魔をしない、むしろ、いて下さい的な子。
ダイニングを「適切に」照らしてくれます。強すぎず弱すぎず。
側面にも光が拡散する構造なので、周囲も明るくできます。でもけっして眩しくない。
照明の数を増やしたくないのでとっても助かります。
暗くないの?と思うかもしれませんが、大丈夫。
本体自体の電球も交換はできますが、一応対応の電球が決まってはいるので注意。
まあ、どこもかしもも名作照明、で揃えると照明費用がとても素敵なことになるので、ダイニング灯を拡散させて他の照度の助けにする、のがいつもの定石です。
よく似たような製品が安く出回っていますが、採用はやめましょう。適当に形を真似して作っているだけです。
国産の照明器具もいいですが、いろんな思いが詰まっているPH5。
オススメ照明の一つです。