2024.01.17
天井の高さ(1)
天井の高さはどのくらいが適切か。
悩みだすとなかなか決まりません。
一般的に普及している寸法は、「2.4m」。。はて、なぜ2.4mなのか。
建築基準法においては、居室の天井高さは「2.1m以上」と定められています。
●建築基準法施工令第21条
居室の天井の高さは、2.1メートル以上でなければならない。
2 前項の天井の高さは、室の床面から測り、一室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その平均の高さによるものとする。
2.4mは約8尺。
建築基準法の制定は昭和25年(1950年)。
その前身となる市街地建築物法の制定(公布)は大正8年(1919年)。
2.1mという寸法は、市街地建築物法の第三章第一節第18条 「居室の天井高は7尺(2.1m)以上とすること。」からそのままきているようです。建築基準法になって、平均天井の考えが追記されましたね。
現在も多く採用されている、壁の下地材、石膏ボード。
張った状態は。こんな感じ。
石膏ボードは、1922年に製造販売が吉野石膏にて開始されました。
規格サイズは、
- 3’×6’(3尺×6尺)≒910mm×1820mm
- 3’×8’(3尺×8尺)≒910mm×2420mm
- 3’×9’(3尺×9尺)≒910mm×2730mm
となっています。
市街地建築物法の「7尺以上」を満たすように1尺足して、製品は「8尺」としたんでしょう。
なんで尺で決めたのよ、、と言っても仕方ありません。石膏ボードの製造販売は1922年。当時はまだ尺貫法です。メートル法になるのは1924年。
ということで、おそらくですが、8尺の壁下地を採用して、キリのいい数字にすると、天井高さは「2.4m」となったのではないですかね。
ということは、私の憶測ですが、「2.4m」という天井高さは、材料的な根拠に基づくもので、人間の生活環境に基づいた寸法ではない、のではと。(無論。元々の天井高さ2.1mには根拠があるのでしょうけど。)
なので、2.4mに縛られることはそもそもないんですよね。
住宅業界に入って、なんとなく、「普通は2.4mだから」というので教育されてそのまま何も考えないで「2.4m」で覚えてしまってましたが、勝手に解釈、理解してみました。
じゃあ天井高さはどのくらいがいいのか。
ようやく冒頭に戻りますが、それはまた次回。
※昔よく3’×10’版(910mm×3030mm)の石膏ボードをゼネコンの時に使っていましたが、もういまは作ってないんですね。材料の方も時代とともに変わりますね。